butsudan301.jpg(28005 byte)2025年6月24日

先日、父親が亡くなりました。
高齢だったので、明るい葬儀でした。

四十九日までに仏壇を作る事にしました。
おばあちゃんの仏壇お父様の仏壇と作り、3作目なので、サクサクと作れると思います。
お父様の仏壇を基本にして幅を狭めて設計をやり直しました。

全体図。
butsudan302.jpg(15591 byte)三面図。
butsudan303.jpg(24668 byte)本体の木取り図。
butsudan304.jpg(57109 byte)荒木取りしました。
butsudan305.jpg(66312 byte)2025年6月26日

木作りします。
手押しで基準面を出します。
butsudan306.jpg(66135 byte)自動カンナで厚み決め。
butsudan307.jpg(63001 byte)手押しで木端の矩を出します。
butsudan308.jpg(55392 byte)今日はここまで。
次は板矧ぎです。四十九日までには完成させたいですが、焦らずに進みます。
butsudan309.jpg(49187 byte)2025年6月28日

板矧ぎをします。
板目や節を見ていい順番に並べます。
butsudan310.jpg(37159 byte)木口に並べる順番(1、2、3等)と表にする向き(↑で)を書き込みます。
最後に自動カンナをかける向きを黒丸で書き込みます。向かって左は上に黒丸、右は下に黒丸を記入します。
butsudan311.jpg(54261 byte)黒丸の面をフェンスに押し当てて押しカンナをかけます。

少し手間がかかりますが、こうすると手押しカンナのフェンスの矩が狂っていても矧いだ時は平面に矧ぐ事が出来ます。
butsudan312.jpg(67453 byte)板矧ぎ終了です。
butsudan313.jpg(45921 byte)2025年6月29日

一晩経ってボンドが充分乾燥したので、水引きしました。
butsudan314.jpg(70023 byte)気温が高く、水引きした材もすぐに乾燥したので、数時間後にはサンディングができました。

あらかじめ板矧ぎした部分にはみ出たボンドや細かな目違いをランダムアクションサンダーで削ってみました。次のオービタルサンダーがけがスムーズに進んだので、これからもこうすると良さそうです。

サンドペーパーの番手は#180。
butsudan315.jpg(69864 byte)続けてオービタルサンダーをかけます。
サンドペーパーの番手は#180。
ホゾ加工などを行い、最後に組み立てる前に再度#180、#240とかけて行きます。
butsudan316.jpg(75989 byte)背板は手持ちの5.5mmのシナベニヤを2枚接着して11mm厚にして使います。

大きめに切り出し、ボンドで接着しました。
クランプ、当て板、レンガの重しで圧着中。
butsudan317.jpg(51960 byte)2025年7月1日

棚板の前面の飾りを加工します。
前回作ったテンプレートを使います。
テンプレートを当てて鉛筆で墨線を引きます。
butsudan318.jpg(50327 byte)バンドソーで墨線の1〜2mm外側をカット。
butsudan319.jpg(67441 byte)今回の新兵器、6mmスパイラルビットのフラッシュトリムビット登場。
butsudan320.jpg(45418 byte)テンプレートに沿って削って行きます。
butsudan321.jpg(67571 byte)反対側は12mmのパターンビットで。
材に対して順目になる様にビットを使い分けます。
butsudan322.jpg(52962 byte)テンプレートに沿って削ります。
butsudan323.jpg(46901 byte)きれいに削れました。

6mmスパイラルビットのフラッシュトリムビットを初めて使いましたが、削っている途中に材がむしれるような感覚はなく、削った面は比較的きれいに仕上がりました。
でも、ビットの径が6mmと細いので、12mmのビットと比べると、削っているときの安定感が少し足りない感じがしました。なるべく径の太いビットで削るのが正解だと思います。

6mmスパイラルビットのフラッシュトリムビットは仕上がりがきれいなので、最後の仕上げにひと削りするときに使うのがいいような気がします。
butsudan324.jpg(50545 byte)2025年7月5日

ホゾを作ります。
10mm用ホゾ作り治具で。
butsudan325.jpg(44032 byte)四方胴付きホゾ。
ホゾはセンターからずらしてあります。
butsudan326.jpg(42159 byte)ホゾ作り終了。
butsudan327.jpg(61867 byte)ホゾに合わせて棚板用のほぞ穴を開けます。
6mmのエンドミルと直線切り治具、十字型ストップ治具で。
butsudan328.jpg(65874 byte)続けて前面の桟のホゾ穴。
butsudan329.jpg(57505 byte)底板用のホゾ穴も開け、仮組みしてみました。
いいんでない!
butsudan330.jpg(65316 byte)組み立てました。
矩には気を付けて締め付けました。
butsudan331.jpg(66316 byte)2025年7月6日

組みあがった本体に現物合わせで穴位置を決め、天板にホゾ穴開け。
butsudan332.jpg(57493 byte)天板の後ろに背板を入れる溝を掘りました。
19mmのビットで削ったので、角は鑿で落としました。
butsudan333.jpg(58185 byte)仮組み。いいんでない!
butsudan334.jpg(56700 byte)当て板を当てて天板を本体に接着しました。
butsudan335.jpg(17092 byte)2025年7月8日

本体が大体形になったので、次は引出し用の枠を作ります。

全体図。
butsudan336.jpg(21354 byte)木取り図。
butsudan337.jpg(69317 byte)枠の左右は25mm厚にするので、木作りした1×材を3枚合わせて接着して54mm厚ぐらいにします。
butsudan338.jpg(66646 byte)クランプで圧着します。
butsudan339.jpg(66155 byte)板矧ぎもしました。
butsudan340.jpg(60616 byte)2025年7月10日

引出し枠の側板は25mm厚。3枚接着した材を挽き割り、自動カンナで厚みを仕上げます。
butsudan341.jpg(65816 byte)ホゾを作ります。10mm用のホゾ作り治具で。
butsudan342.jpg(64337 byte)ホゾは天板の溝と干渉しない様に内側にずらしてあります。
butsudan343.jpg(64900 byte)天板にホゾ穴開け。
butsudan344.jpg(50869 byte)仮組みしてみました。いい感じ。
butsudan345.jpg(43413 byte)水引きしました。
butsudan346.jpg(72234 byte)午後になって水引きが乾燥したので、サンダー掛け。
butsudan347.jpg(66794 byte)組み立てました。
butsudan348.jpg(46582 byte)2025年7月12日

またまたやってしまいました。
引出し枠の天板は奥側を10mmずらすはずでしたが、面一に組んでしまいました。
butsudan349.jpg(48895 byte)あわてず騒がず、10mm厚の板を接着してリカバーしました。
butsudan350.jpg(53414 byte)引出し枠の支えは現物合わせで厚みを決めました。
1mmぐらい隙間が開く様にしました。
butsudan351.jpg(55772 byte)引出し枠の天板に雇いざねを入れる溝を掘ります。
butsudan352.jpg(67363 byte)同じセッティングで引出し枠の支えにも溝を掘ります。
これで引出し枠を入れた時に天板が引出し枠の支えとぴたり面一になるはずです。
butsudan353.jpg(59972 byte)雇いざねは硬木のタモで作りました。
butsudan354.jpg(58978 byte)仮組みしてみました。引出し枠はスムーズに出し入れ出来そうです。
butsudan355.jpg(52266 byte)引出し枠の支えにビスの下穴を開け、プロメンで面取りしました。
butsudan356.jpg(49494 byte)前側のみ軽くボンドを付け、コーススレッドで固定しました。
butsudan357.jpg(62930 byte)うまく収まりました。
butsudan358.jpg(61212 byte)引き出してみます。
押し込む時に少し引っかかる感じがしたので、左右の奥の角を少し丸めました。
出し入れしてみましたが、これで良さそうです。
butsudan359.jpg(60581 byte)引出し枠の目隠し板のホゾの左右を落とします。
バンドソーで大まかに切り取ります。
butsudan360.jpg(54068 byte)仕上げはトリマーテーブルで。

久しぶりにトリマーテーブルを使いましたが、刃物が上を向いて回っているのはちょっと怖いですね。私には手持ち作業が向いている様です。
butsudan361.jpg(51512 byte)取り付けました。
butsudan362.jpg(67508 byte)最後に手前の引手を張り付けて引出し枠は完成です。

次は引出しを作っていきます。
形が見えてくるとどんどん楽しくなってきますね!
butsudan363.jpg(51664 byte)2025年7月15日

台輪を取り付けます。天板と少しでもずれると目立つので、位置決めは慎重に。
butsudan364.jpg(59958 byte)引出しの木取りをしてホゾ、ホゾ穴を作りました。
butsudan365.jpg(55573 byte)一番下の材(側板)のホゾ穴開けを失敗しました。でも、飾り前板を取り付けると見えなくなる所なので、このまま作業を進めます。
butsudan366.jpg(67100 byte)組み立てました。対角線の寸法を測り、矩には気を付けました。
butsudan367.jpg(54818 byte)午後からは引出しの飾り前板の加工。
お父様の仏壇で使った仏壇用引手治具を使います。
butsudan368.jpg(58737 byte)小さい方の型枠で罫書き、バンドソーで2mmぐらい内側を切断。
butsudan369.jpg(67648 byte)12mmRのビットの両側にベアリングが付いたビットが活躍します。
butsudan370.jpg(57459 byte)向かって左側はパターンビットで、右側はフラッシュトリムビットで削り、常に木目に順目になる様に削ります。
こうすると、削った角の焼けも少なく、きれいに仕上がります。
butsudan371.jpg(59189 byte)裏側から一回り大きな型枠で削って引手部分を作ります。
butsudan372.jpg(55321 byte)こんな感じで仕上がりました。
butsudan373.jpg(37435 byte)仮組みしてみました。いい感じ!
butsudan374.jpg(62451 byte)2025年7月17日

塗装します。
少し薄めた油性のウレタンニスをスポンジ刷毛で塗って行きます。
butsudan375.jpg(62578 byte)全て塗装終了。

乾燥したら軽くサンドペーパーをかけて表面をつるつるにしてから2度目、3度目と塗って行きます。
butsudan376.jpg(51552 byte)2025年7月21日

二晩かけて三回の塗装が終了。
引出しに飾り前板を取り付けます。
butsudan377.jpg(50989 byte)飾り前板を引出しの上のツラに合わせます。
butsudan378.jpg(48931 byte)左右もぴたりと合いました。
butsudan379.jpg(67042 byte)背板の飾り板は広葉樹で。
ブラックウオールナットとメープルにしました。
butsudan380.jpg(69826 byte)2025年7月22日

ブラックウオールナットとメープルを貼り付け、乾燥してから背板に貼り付けました。
懐の深いクランプがないので、当て板を当てて押さえました。
butsudan381.jpg(53806 byte)塗装します。
飾り板は塗装しないので、養生テープとコピー用紙で養生しました。
一度塗装した後、サンドペーパーをかけてからもう一度塗装して仕上げます。
butsudan382.jpg(47010 byte)2025年7月24日

棚の2段目、須美檀と呼ばれている部分を作ります。
最初の設計では1段目の棚と同じ形で作る予定でしたが、変更して緩くカーブを描いた棚にしました。

木作りしたメープルに印刷した図面を貼り付け。
butsudan383.jpg(53197 byte)バンドソーで荒く切り取ります。
butsudan384.jpg(56801 byte)ディスクサンダーで削って形を作ります。
butsudan385.jpg(60845 byte)きれいに出来ました。
butsudan386.jpg(44465 byte)背板を付けて完成です!

ブラックウオールナットとメープルの色の対比がいい感じです。
butsudan387.jpg(44130 byte)須美檀のバランスもよさそうです。
butsudan388.jpg(44418 byte)使う時はこの様に引き出して仏具を置きます。

市販の仏壇は例外なく扉が付いていますが、おばあちゃんの仏壇を使ってみて扉は開きっぱなしで閉じる事はないので、なくてもいいかな・・・と思い、今回は付けませんでした。
使ってみて必要なら後から取り付けます。
butsudan389.jpg(47045 byte)2025年7月26日

仏具を置いてみました。
いい感じです!
butsudan390.jpg(51513 byte)我が家のやんちゃ犬きなこも参加。